四手辛夷（しでこぶし）Magnolia stellata／ピンク

落葉小高木　　もくれん科もくれん属　　原産地　日本の一部
開花期 ３～４月　　　　花径 １０ｃｍ　　　樹高５ｍ
四手とは、花の形が、神前に供える、玉ぐしの“四手”に、 似ていることから、四手辛夷（シデコブシ）の名前がついたようです。しでこぶしは幣辛夷、四手拳とも書きます。

よろしければ曲を聴きながらどうぞ！（ピアノ曲）Please listen to the song if you like! (Piano song)

東海地方の愛知県、岐阜県、三重県の一部を中心とした限られた範囲に分布する日本の固有種だそうです。湿原の周辺や渓流沿いなどに生育します。お花は辛夷と比べると小さく、花びらは１２～１８枚位と多く、美しいお花を咲かせます。花色は白色から薄い紅色を帯びるものまであるようです。樹高も辛夷の半分くらいの高さまでです。系統的には、コブシとタムシバの交雑によって生じたものと考えられているそうです。コブシはやや冷涼な地の谷沿い、タムシバはこれより温暖な地の尾根などの乾燥地に生育する種であり、シデコブシは、生育環境の異なった両種が近接して生育している環境があり、生まれたことになります。庭木、公園樹として見かけることがありますが、自生個体群は開発なども加わって減少しつつある種であり、自生個体群は絶滅危惧II類に指定されているそうです。[栽培]植え付けは極寒期を除く１１月～２月で挿し木、株分けで増やします。土質は特に選ばず、保水性のある所で、日当たりの良い場所に植えるとよく育ちます。半日陰でも大丈夫です。
[別名]ヒメコブシ
[用途]庭木
(ちょっとメモ)タムシバと辛夷について
噛柴（たむしば）Magnolia salicifolia
落葉小高木　　もくれん科もくれん属　　　分布地　本州以南
開花期　３～４月　　花径　１０ｃｍ位　　　樹高　１０ｍ
枝や葉は噛むと甘いので、「サトウシバ」や「カムシバ」の別名もあります。名前は「カムシバ（噛柴）」が転訛したものです。本州、四国、九州の丘陵帯から山地帯に分布し外観が辛夷そっくりです。温帯から暖帯の山地の尾根などのやや乾燥した場所にもに生育します。コブシに先駆けて、葉の展開に先立って、花弁６枚と、小さな花弁のように見える顎片３枚がついた白い花を咲かせます。マツ枯れの激しい場所では群生してヤマザクラと同時に春の山を彩っています。葉は広被針形で細長く、長さ６～１４ｃｍまでです。コブシとよく間違われますが、タムシバの葉は中央部で最も幅が広く、コブシはタムシバに比べて幅が広く、先端に近い場所で最も広い点で異なるようです。もうひとつ違いがあります。小さい葉なので分かりにくいのですが、花のすぐ下に１個の葉がありません。別名を「ニオイコブシ」といい、花には芳香があるそうです。
辛夷（こぶし) Magnolia kobusi
落葉中木　　 もくれん科もくれん属　　　分布地　沖縄を除く全国
開花期　３～４月　　 花径　１２ｃｍ位　 　樹高　１０ｍまで
蕾がが開く直前の形が子供のにぎりこぶしに似ているところ、実の形が手のコブシに似ているところから、この名前になったそうです。昔の人はこの花の開花時期から農作業のタイミングを判断したり、花の向きから豊作になるか否かを占ったりしたそうです。このことから、”種まき桜”と呼ぶ地方もあるそうです。そして別名で”田打桜”とも呼ばれています。山桜より少し遅れる開花で、花弁は６枚、白い花の基部は少しピンク色をしています。葉は楕円、木肌は灰白で比較的に滑らかで、幹は割と細いです。花の蕾は鼻炎、鼻づまりなどに効果があり、生薬名が「辛夷（しんい）」という漢方薬に配合されています。[栽培]環境を選ばず、よく目吹き、生長が早く、樹勢も強く、病害虫や大気汚染にも強いので、栽培は簡単です。特に気をつける必要はないようですが、腐葉土など栄養と湿気に富んだ、土に植えるようにします。植え付けや植え替えは、３～４月が適期のようです。
[用途]庭木 、街路樹 
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